不満が原因?お客様がリピートしなくなる理由

不満が原因?お客様がリピートしなくなる理由

―「嫌われた」より前に起きていること―

「リピートしない理由は、何だと思いますか?」

そう聞くと、多くのオーナーさんは、まず 「不満があったのではないか」 と考えます。
接客が足りなかったのかもしれない、技術が期待に届かなかったのかもしれない、価格が合わなかったのかもしれない。
もちろん、不満が原因でリピートしなくなるケースは、確かにあります。

ただ、現場を見ていると、それだけでは説明できない離脱のほうが、むしろ多いと感じます。
クレームは出ていない、満足そうに帰っていった、「また来ますね」と言われた。
それでも、次は来ない。

このときに起きているのは、「不満」とは少し違う状態です。

リピートしなくなる理由は、大きく3つに分けられる

お客様がリピートしなくなる理由を整理すると、次の3つに分けることができます。

  1. 初回体験で期待を外した
  2. 満足はしたが、いまいちだった
  3. 良い印象はあったが、思い出されなかった

これは、お店が良い・悪いという評価の話ではありません。
お客様の中で、どこまで体験が進んだかの違いです。
それぞれを、順番に見ていきます。

① 初回体験で期待を外した(不満)

起きていること

このケースでは、お客様の中に、はっきりしたマイナスが残っています。
サービスの品質が期待に届いていない、説明が足りず不安が残った、料金や時間、流れが想像とズレていた。
「なんか違った」「思っていたのと違う」という感覚があると、次の来店はほとんど起きません。

気づきのポイント

このパターンの特徴は、原因が比較的わかりやすいことです。
どこでズレたのか、何が足りなかったのかを振り返りやすく、改善もしやすい。
再現性が高いため、不満は対策を考えやすい領域だと言えます。

② 満足はしたが、いまいちだった(印象が立たなかった)

起きていること

ここが、いちばん見落とされやすいポイントです。
不満はない、クレームもない、サービスとしては成立している。
それでも、お客様の中には、「悪くはない」「でも、ここじゃなくてもいいかも」という感覚が残っています。

満足しているのに、選ぶ理由が立ち上がっていない状態です。

気づきのポイント

お店側から見ると、「問題はなかった」と感じやすい段階です。
ですが、お客様の中では、何が良かったのか、なぜここを選ぶのかが、はっきりしていません。
この段階で問われているのは、期待値の置き方や、お店の強みが印象として残っているかどうかです。

③ 良い印象はあったが、思い出されなかった(忘却)

起きていること

このケースでは、評価そのものは悪くありません。
初回体験は悪くなかった、印象もそこそこ良い、嫌な記憶も残っていない。
それでも、次の来店は起きません。

理由はとてもシンプルです。
思い出されていないからです。

忙しい日常の中で、思い出されなければ、選択肢にすら入りません。

気づきのポイント

ここで起きているのは、嫌われたわけでも、比較で負けたわけでもありません。
評価される前に、候補から外れている状態です。
この段階で必要なのは、価値を足すことではなく、思い出されるきっかけを用意することです。

よくあるズレ|全部まとめて「不満」と考えてしまう

多くのお店では、②の「いまいち」や③の「忘却」まで含めて、すべてを「不満」として扱ってしまいます。
その結果、クーポンを出す、施策を足す、集客を強化するといった対応に進みがちです。

ですが、それで解決しやすいのは①だけです。
②と③は、そもそも直す場所が違います。

まとめ|不満は、リピートが止まる理由の一部にすぎない

お客様がリピートしなくなる理由を整理すると、次の3つの状態が見えてきます。

  • 不満:原因を振り返り、対策しやすい
  • いまいち:期待値や印象の設計が問われる
  • 忘却:思い出されるきっかけが必要

リピートを増やす前に、まず考えたいのは、
お客様は、どこで止まっているのかという点です。

ここが整理されていないまま施策を重ねても、「やっているのに、なぜか続かない」状態は変わりません。
次に考えるべきなのは、それぞれの段階で、お店は何を整えるべきなのか。
この視点が持てるだけでも、リピートの見え方は大きく変わってきます。