不満が原因?お客様がリピートしなくなる理由

不満が原因?お客様がリピートしなくなる理由

「リピートしない理由は、何だと思いますか?」

そう聞くと、多くのお店では、まず不満があったのではないかと考えます。接客が悪かったのかもしれない、技術が期待に届かなかったのかもしれない、価格が高かったのかもしれない。もちろん、不満が原因で離れていくケースはあります。

ただ、実際の現場では、それだけでは説明できない離脱のほうが、むしろ多いように感じます。クレームはない。満足そうに帰っていった。「また来ますね」と言っていた。それでも、次は来ない。

このときに起きているのは、「嫌だった」ではなく、もっと別のことです。

満足しても、まだ比較は終わっていない

満足とリピートは、別の話です。多くのお店では、満足してもらえればまた来てくれると考えがちです。でも実際には、満足しただけでは、まだ比較は終わっていません。

お客さんの中には、悪くはなかった、また行ってもいい、でも他にもっと合うところがあるかもしれない、という状態が普通に存在しています。サービスとして成立していることと、「ここに通おう」が決まることは別です。

感動は、リピートの入口になる

そこからさらに進むと、「また行きたい」が生まれます。技術に感動した、空間にワクワクした、人に惹かれた。美容室や飲食店では、こういう感情がリピートの入口になることも多いと思います。

ただ、感動だけでは長く続かない。なぜなら、人は慣れるからです。初回は「想像以上」だったことも、2回目には想定内になります。感動は、「想像以上だった」ときに生まれるからです。テーマパークのように常に新しい刺激を作り続けられる業態なら別ですが、多くの店舗ビジネスはもっと日常に近い存在です。だから、感動だけを軸にリピートを作り続けるのは、実はかなり難しい。

長く続くリピートは、安心に変わっていく

長く通われるお店では、途中から理由が少し変わっていきます。最初はまた行きたい、好きだな、という感情で動いていたものが、「ここなら安心」「説明しなくていい」という感覚に変わっていく。特別だから行くのではなく、自然だから続く状態です。感動というより、生活への定着に近い感覚です。

習慣になると、人は比較しなくなる

ここまで来ると、お客さんは毎回比較をしなくなります。美容室を探し直さない。毎回検索しない。他のお店を見続けない。比較を繰り返していたお客さんの中で、わざわざ他を探さなくてもいいが成立している状態です。「もうここでいい」が固まっています。

ただ、この「ここでいい」は、ネガティブな意味ではありません。毎回比較するのは疲れるから、人は安心して選択できる場所を作ろうとします。長期リピートとは、そういう安心感の上に成り立っています。

「また行こう」が、日常の中で消えてしまうこともある

ただ、ここまで定着する前に、比較が再開されてしまうこともあります。初回体験は悪くない、嫌な印象もない、満足もしている。でも、次のタイミングで別のお店を探してしまう。

美容室ならこういうことが起きます。髪は気に入っていた。でも2ヶ月後には、別の美容室の広告を見て予約した。LINEは登録したけど、特に接点はなかった。これは、嫌われたわけではありません。いつもの店になる前に、また行こうという気持ちが日常の中で消えてしまった状態です。定着する前に、接点が切れてしまったとも言えます。

リピートは、好きだけでは続かない

感動は、リピートの入口になります。ただ、人は慣れます。満足していても、比較は続きます。だから、長く続くお店では、途中から理由が変わっていきます。「好きだから通う」から、「ここなら安心」「自然とここを選んでいる」へ。長期リピートとは、感動を作り続けることではなく、お客さんの日常の中に定着していくことなのかもしれません。

次の記事では、この「また行きたい」が生まれる前段階である、初回体験について整理していきます。

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